美術セットに入っている透明な棒。
「これってどうやって使うのか」と疑問に思った部員もいることだろう。
この記事では、この「謎の棒」の使い方について解説していこう。
謎の棒の正体
この謎の棒の正体は「溝引き」に使う「溝引き棒」である。
溝引きとは
まず溝引きとは「筆で直線を引く技法」のこと。
そして溝引きには「溝引き棒」と「溝引き定規」を使用する。
溝引き棒(別名:ガラス棒)
溝引きを行うための棒で、先端に球体がついている。
素材はガラス製が多く、その他にステンレス製やアルミ製がある。また先端が金属で、軸のみプラスチックや木でできているものもある。
溝引き定規とは
定規に直線の溝が付いた定規のこと。アクリル製やステンレス製などがある。
美術セットに定規が一緒に入っている場合、このための溝がついているはず。
定規の溝に溝引き棒を滑らせて使う。
使い方
溝引き棒と筆をお箸のように持ち、溝引き棒の球体部分を溝引き定規の溝に置いて滑らせることで直線上に腕を動かすガイドのようになり、直線を引くことができる。
絵の具を溶く
まずは絵の具を溶く。アクリルガッシュで線を引く場合は平塗りのときの濃度かそれよりも少し薄いくらいの濃度で溶く。
絵の具の含みを良くするために面相筆は一回水に通しておく。筆や柄に水が残っていると線を引く最中で柄に残った水が出てきて、滲む場合があるので水に通した後は布などできちんと水気を切っておく。
面相筆に付ける
溶いた絵の具を面相筆に付ける。付けすぎると線が引き辛く、引いた部分が盛り上がってしまうのでほどほどに付ける。
筆と溝引き棒を持つ
筆と溝引き棒をお箸のように持つ。筆は中指の関節部と人差し指と親指で固定し、溝引き棒を薬指の関節部と中指の腹で固定する。
直線を引く
溝引き定規の溝に溝引き棒を当て、筆と溝引き棒がガタつかないように気を配りながら、筆を画面に当てつつ、手を固定したまま、溝引き棒を左から右へスッとスライドさせることで直線を引く。
ヒジもいっしょに右へスライドさせるよう意識する。腕が縮こまったり、力が入ったりすると線が曲がってしまう。最初はゆっくり、慣れてきたらだんだん早く引いていくとよい。早く引いた方が綺麗な線になりやすい。何回か書いていくと力の加減がわかってくるので真っすぐに引けるまで練習しよう。
慣れてくると、綺麗な線がスッスッと気持ちよく引けるようになる。
また、筆をペンに持ち替えて溝引きをすることもできる。
上手くいかない時の対処法
線がかすれるときの対処法
そもそも絵の具が少なくなっていないか確認。少ない場合、筆に含ませる絵の具の量を増やす。
絵の具がべたつき過ぎていないか確認。べたつく場合、絵の具の水分量を増やす。
穂先がばらついたりしていないか確認。穂先がまとまっている筆を使う。
毛量が抜け毛でスカスカになっていないか確認。毛量がしっかりとある筆を使う。
線がガタつくときの対処法
手首や指が無駄に動いていないか確認。手ではなくヒジ(腕)ごと動かすイメージで引く。
溝引き定規に固まった絵の具などが付着していないか確認。付着している場合、掃除をする。
筆を持つ位置を変えてみたり、筆の長さを違うものに変えてみる。
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