美術部基礎用語集

美術部基礎用語集

アイデアスケッチ

頭の中にあるアイデアや造形案などを自分なりにまとめたり、人に説明したりするために、紙にスケッチするもの

アクリル絵の具

アクリル絵の具とは、アクリル樹脂を用いた絵の具全般を指す名称として使われる
油絵や日本画の伝統的な絵の具に対して、アクリル絵の具は石油化学の発達によって生産することが可能になった最も歴史の新しい絵の具で、厚塗りなどの油彩絵の具の表現力と水洗いが可能な水彩絵の具の軽便さを兼ね備えている
水性で水に溶けるが、乾燥すると耐水性になるというのが最大の特徴

イーゼル

これ

作品をこれに掛けて描く
ある程度作品に角度がつけられ、高さ調整もできる
デッサンの時には、これにカルトンなどを掛けて使用
また、展示の時に作品を掛けて使用することもある

エスキース

作品を制作するためのイメージやアイディア、あるいは構図を描きとめた下描きのこと
制作のイメージを練る作業や下絵そのものを指すこともある
必ずしも図や絵とは限らず、色や配置の指示、コメントなどの言語が書き加えられたりすることも多い

遠近法

遠近法とは、3次元の空間を、2次元である平面上に「遠い・近い」「高い・低い」「広い・狭い」などの空間的関係性をそのままに表現する技法のこと
一般に「遠近法」という言葉は、狭い意味においては、ルネサンスの時代に確立された「線遠近法」を指す
広い意味においては、空気遠近法、色彩遠近法、斜投象法などの遠近表現の総称として、この言葉が用いられる

鉛筆

デッサン用の鉛筆の種類は薄くて硬い10Hから濃くて柔らかい10Bまである
硬い順から並べると、10H~H、F、HB、B~10Bとなり22種類ある
それぞれの硬さで得意とする表現が違うので、複数揃えるのが一般的
デッサンでは、鉛筆の芯の先端部分だけでなく、芯の横の部分を使って面を描いたりするため、カッターなどを使って鉛筆の芯を長く露出させてから使用する
削り方についてはこの記事を参考

カルトン

画用紙や木炭紙を固定するための土台に使用される画板
イーゼルに掛けて描く場合によく用いられる
イーゼルがない場合、作品を机にベタ置きすると、作品を正面から見ることができないのでデッサンが歪みやすい
その場合は膝の上にカルトンを乗せて使用することもある
通常のカルトンは2枚1組になっているので、描いた作品を挟んで保存することもできる

キャンバス

木枠に布を張ったもの
さらにジェッソなどの下地材を塗布しているので絵の具が乗りやすい
基本的に油彩やアクリル絵の具に使用するが、鉛筆木炭も乗るのでなんにでも使用できる
薄い紙の場合、展示の際は、板に貼ったり、ファイリングなどの二次処理が必要だが、これは紙より厚みがあり、描き上げればそのまま展示することもできる
額縁をつけたほうがもっといいけど
下地材の段階で色を付けたり、紙や異物を一緒に塗り重ねることで部分的に厚さを変え、作品の地肌に変化をつけることもできる

クロッキー

対象を素早く簡易的に写生したもの
1~5分程度で描き上げ、細部より全体を捉えることを重視する
繰り返すと対象を捉える力が鍛えられる
対象(人や動物)は素早く描かないと動いてしまうから、クロッキーでその一瞬を捉え、制作に活かしていく
スケッチの一種
方法についてはこの記事を参考

コミケ

コミックマーケットの略称
コミックマーケット準備会が主催する世界最大の同人誌即売会である
美術部全員がオタクということではないので、縁のない人もいるが、美術部員にとっての聖地・戦場

コンセプト

「ものごとの根底にある考え方や視点」という意味で使われる
モチーフは形を形成する要素のことで、具体的なものになるが、コンセプトは作品やものごとの根底を流れる視点という抽象的な概念である

スケール

デッサンスケールのこと
黒い枠と、枠内を16分割した罫線が印刷されたプラスチック板
描く対象をどのような構図に納めるかを決める際や、対象の位置関係を確認する際などに用いる
慣れてくると道具を使わず、両手で四角をつくって構図の確認をしたりする

スケッチ

人物や風景などを大まかに描写すること
写生、粗描・素描、ドローイングとも言う
簡単にスケッチすることをラフスケッチ、 アイデア、造形案などの検討で、そして他者とのコミュニケーション用のスケッチをアイデアスケッチ、 素早く、より簡潔に描写することをクロッキーと言う

石膏像

石膏によってかたどられた立体像
像そのものが白一色なので、よく絵の練習としてデッサンされる
デッサン用の石膏像はギリシャ彫刻などの作品を石膏で再現したレプリカであり、元の作品の一部のみが切り取られた状態のものが多い
デッサンの場合、とにかく何時間も見つめ合っているため、親しみや変な感情を抱く部員は多い
マルス・メディチ・聖ジョルジョ・ヘルメス・アリアス辺りがイケメンで女子部員に人気
ブルータス・カラカラ帝・アグリッパ辺りの渋いおっさんも一部に人気

ディティール

細部または部分のこと
細部にこだわりたくなる気持ちはわかるが、こだわりすぎてしまうと、その部分だけ全体の中で浮いてしまったり、バランスが崩れてしまうので注意が必要
「神は細部に宿る」とはよく聞く名言だが、その細部は最終的には全体とのバランスが重要
たまに「細かいディティール」という使い方を耳にするが、この使い方は意味が重複している
頭痛が痛いみたいな

テーマ

主題・芸術作品などの中心となる思想内容のこと
テーマが「全体的な主題」を指す言葉であるのに対し、モチーフは全体ではなく作品を形成する個々の単位を指す言葉
テーマはあくまでも全体像であり、幅広いが、モチーフは形として捉えることができる

デッサン

物体の形体、明暗などを平面に描画する制作技法、過程、あるいは作品のこと
描くのに用いる画材によって木炭デッサン、鉛筆デッサン
描く対象によって静物デッサン、人物デッサン、石膏デッサンなどという

練り消しゴム

粘土のように柔らかくて自由に形を変えられる消しゴム
デッサンでよく使われるが、主に微妙な調子や濃淡の調整などに適している
普通の消しゴムのように「消す」だけのためではなく、作品の光を「描く」ものでもある
擦り付けることでぼかしを表現したり、先端をとがらせて使うことでハイライトを入れたり、光や抜け感を表現することが可能
また、面を押し当てることでその部分のトーンを軽くすることもできる
できれば、色や香り付きの練り消しゴムではなく、デッサン用の練り消しゴムを使おう

パース

英語のPerspective(パースペクティブ)の略称、主に「遠近法」を指す
「遠近法」はいろいろあるが、一般的には「近くにあるものは大きく、遠くにあるものは小さく」描くことで遠近感を表す線遠近法を指す
また透視図法的な遠近感が付くことを俗に「パースがかかる」と言い、遠近感の表現が適切でない場合を「パースが狂う」「パースがおかしい」と言う
この言葉を使うとなんだか美術部っぽいが、多用すると「そんなつまらん定規でこの作品を見るな!大事なのは正確性じゃない」とか言われて嫌われるから注意
パースは大事だが、こだわりすぎると、何を表現したいのかという本質を見失うこともあるので、ほどほどに

パン

昔は木炭デッサンなど、柔らかいものを消すときにパンを使っていた
練り消しゴムがある現代において、あえてパンを使うメリットは、練り消しゴムよりもやわらかいので紙を潰しにくいということがある
いつも練り消しゴムを使いすぎて紙を潰してしまうという部員は一度使ってみるのもいいだろう
パンを使うときは、柔らかい白い部分だけを使い、小さく丸めて使うのが一般的
この時はバターが入った高価な食パンよりは、安い食パンのほうがオススメ
パンの油分が多いと、紙が油とり紙みたいに油を吸って汚れてしまうので注意

BL

Boys Love(ボーイズラブ)の略称で、男性同士の恋愛関係を題材とした作品、ジャンルの総称
好き嫌いはあるけれど、美術部で知らない人はいないであろうジャンル
オタばれは許せるが、このジャンルが好き(腐女子)ということは知られたくない部員は多いので、美術室以外でこれに関する話を振るのはやめておこう

フィキサチーフ

定着液のこと
木炭やクレパスなどの落ちやすい画材を紙に定着させるときに塗布し、作品をコーティングする
スプレー缶に入っているタイプが一般的
合成樹脂をエタノールまたは石油系の溶媒に溶いたもので、鉛筆・木炭にはエタノール、パステルには石油系が適している
いずれも有害なので充分に換気をして使用しよう
一度で終わらず、繰り返し塗布することで、よりムラなく丈夫になる
定着前に作品に衝撃を与えてしまったり、こすってしまうと作品が消えてしまうので注意
木炭デッサンなどでは、イーゼルから下ろす前に一度塗布するといいかも

マーブリング

ゴム樹脂の水溶液に、水分に反発する描画材を落とすことで、水面上に描かれる複雑な模様や図柄を、紙などの支持体に写し取る技法

マケット

模型、特に、彫刻の試作のための雛型を指す
絵画ならスケッチで構想を練ることができるが、彫刻の場合、平面では感じがつかめないので、実際にマケットを作って構想を練ったりする

マスキング

マスキングテープ、またはマスキングテープで描画などの作業したくない領域を指定し、保護することを指す
さらに略してマステとも
世間にはかわいい柄のマステもたくさんあるが、美術部で主に使用されるのは、黄色や青色の、あくまで保護目的である、かわいくないマステが多い
作業が終わったらすぐに剝がされて捨てられる

マチエール

絵画の絵肌、彫刻の質感など、または作品における材質的効果を指す
何が描かれているのかは関係なく、ザラザラ、ツルツル、薄い、濃い、など絵の肌から感じる印象というものがある
「鑑賞者にどんな印象を与えたいのか」を考えるとき、何を描くかだけではなく、作品の質感も考えると、より鑑賞者に与える印象をコントロールすることができる

水張り

水彩画などの水を使用する絵を描くときに、紙に歪みが生じにくいよう、一旦水に塗らした紙をパネルに張り付ける手法のこと
紙が水に濡れると伸び、乾くと元に戻るという性質を利用している
たとえばスケッチブックなどに水彩画を描くと、水を含むことで生じた紙のでこぼこが完成後の絵にも残って不恰好な形となってしまう
しかし水張りした紙を利用すれば、紙が波打って変形しても、乾かせば元に戻り、水張りしたパネルから剥がせば、でこぼこのない面となる
パネルと水張りテープが必要になるが、美術室にはいずれもだいたいある
パネルは「作品が完成したら紙を剥がして返却する」と言えば貸してくれるだろう(多分)
パネルがなければベニヤ板などに張る「平張り」という方法もある
水張りテープは湿気厳禁なので取り扱いには注意しよう

メディウム

メディウムとは「媒体」という意味で、絵の具に混ぜて使うことで、質感や性質に変化を与えられる画材のこと
ジェッソなどの下地として使われるものから、モデリングペーストなどの絵の具と混ぜてボリュームを出すもの、艶を出すもの、艶を消すもの、グラスビーズなどの砂の様な質感にするもの、粘り気のあるタッチを出すもの、クラッキングメディウムなどのひび割れさせるもの、乾燥速度を早くするもの、遅くできるものまで、多種多様なメディウムがあり、制作の幅を広げてくれる
水彩絵の具用、油絵の具用、アクリル絵の具用と、それぞれに専用のメディウムがある
自分がやりたい表現に合ったものを選ぼう

木炭

樹木の枝や幹を棒状に小さく割ったものを炭化させ、デッサン用の描画材としたもの
材質が柔らかいため、繊細な調子や濃淡表現、ボカシなどの描画効果が比較的簡単にでき、豊かな表現が可能
柳や桑などの木炭には芯があり、芯部分は紙に定着しづらく、色味も変わってしまうため、「芯抜き」という道具で芯を取り除いてから使うようにしよう
芯抜きがなければ、太めのギターの弦でも代用できる
栗・樺(かば)などは幹材で芯が無い木炭なので、そのまま使用できる

木炭紙

木炭デッサンで使われる専用の紙
通常の画用紙では木炭の粉の定着が良くないので、定着を良くするために、木炭紙の表面には筋状のでこぼこの加工が施されている
MBM木炭紙(アルジョマリー社製)が有名
木炭紙を透かして見るとMBMと刻印されているので、表と裏を間違えないように確認しよう

モチーフ

動機・理由・主題を意味するフランス語 モティーフともいう
表現の動機・きっかけとなった中心的な思想・思い、作品を構成する個別の要素のこと
作品の中心になっている「題材」とか「主題」という意味で理解しておいてよい

レタリング

文字を書くことを意味し、様々な目的に合わせて、美しく読みやすい文字をデザインすること
大別すると文字の姿の効果を意識して洗練させていった書道やカリグラフィなどの伝統的な書き文字から、明朝体やゴシック体など印刷用の書体設計を指す「タイプフェイスデザイン」と商品名など特定の文字の組み合わせを効果的にデザインする「ロゴタイプ」がある
美術の授業では「明朝体」や「ゴシック体」の優れた活字書体を書き写す課題を指すことも

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