美術部って何をしたらいいの?

美術部へ

「美術部ですけど、何をしたらいいのかわかりません」とお困りの美術部員さんはいらっしゃいますか?基本的には自由です。好きな絵でも描いたらいいとは思いますが、部長の経験からアドバイスしましょう。

校外活動

文化祭に応募しよう

中学生なら中文祭、高校生なら高文祭という全国区の大会があります。
作品を出品すると審査され、地区大会、県大会、全国大会と進んでいきます。
全国の美術部の猛者たちが己の感性をぶつけ合い、しのぎを削る、まさに美術部の甲子園といったところでしょうか。

せっかく美術部に入ったのならこれを目指さないのはもったいない。

全国大会に選ばれると、全国大会の会場に作品が展示され、表彰式に招待され、同じく入賞した各地の美術部員達と交流会をしたりします。同年代の高いレベルに触れることはきっといい刺激になることでしょう。
テーマは基本的に自由ですが、ジャンルが平面、立体など分かれており、サイズも50号サイズとか何センチ×何センチ×何センチとか決められています。
なので、今自分が制作している作品がどのジャンルにも当てはまらないとか、サイズが小さいとかあり得るので、各県の要綱を確認しましょう。
また、学校単位での応募になるので、部顧問を通す必要があります。個人で勝手に応募することはできないのでご注意を。

コンクールに応募しよう

世の中には様々なコンクールがあります。美術部の顧問あてにコンクールの要綱が山のように届いていると思うので、いくつかピックアップしてもらいましょう。

社会人やプロに混じって応募する大きなコンクールもありますが、お勧めは学生向けのコンクールです。この場合、入賞のレベルが学生レベルであるので比較的入賞しやすくなります。さらに地方のマイナーなコンクールは応募数が少ないため入賞する確率はさらに上がります。

入賞すればコンクールによっては副賞で図書カードやクオカードがもらえたり、参加賞でペンやグッズがもらえたりもします。
また、入賞すれば通知票の内申欄に書くこともでき、実績になります。
とにかく、コンクールは応募してもデメリットはありません。
過去の入賞作品を見ながら、部顧問と一緒に傾向と対策を練ってみましょう。
くれぐれもコンクールの要綱を読んで、応募規定と締切りは守りましょう。

校内活動

クロッキー会をしよう

部員同士でモデルになって、クロッキー会をします。
机や台にモデルを立たせ、残りの部員でそれを囲んで、ある程度時間を決め、クロッキーをします。クロッキーなので、10分とか15分くらいで切り上げます。
作品も、おおまかな形をとって、時間があれば描きこむといった感じです。
重要なのは描き切るということ。細かい描き込みは後回しにしておおまかな形、構図を捉え、とにかく描き切ること。描いていくうちに対象を早く捉えることができるようになり、制作のスピードと精度が上がっていきます。
デッサンにも通じるものがありますが、生身の人間をじっくり観察する機会は日頃、なかなかないので新しい発見があるはずです。
さらに、できれば見せ合ったり、顧問を交えて講評会をしたりするとより実りは大きくなります。
美術は個人主義と思われがちですが、こうやって大人数でしかできない制作ができるのも部活動ならではなのではないでしょうか。詳しくはこちらの記事を参考に。

学校で展示会をしよう

作品って誰のために制作するのでしょう?
もちろん自分のためでもありますが、人に見てもらうためでもありますよね?
誰にも見せず、ひっそり部屋の片隅にしまい込む、なんてもったいない。
作品は見せてなんぼ。鑑賞者を意識しないで描いた作品なんて、独りよがりの自己満足で終わってしまいます。野球で例えるなら、毎日バットをひたすら振るけど打席には立たない、みたいなものです。
せっかく作品を作るのだから、ぜひ多くの人に見てもらいましょう。
幸い学校という場所は、普段から多くの人がいて、作品を展示できるようなスペースもあります。
しかも、みんな毎日顔を合わせる親戚みたいな間柄。もはや身内。ここで恥ずかしがってちゃ、もうどこにも展示できません。思い切って学校で展示会をしてみましょう。

授業参観や三者面談の時期に合わせてギャラリーに展示したり、学校の文化祭に合わせて美術室に展示したり、方法はいくらでもあります。地域の公民館でもできるかもしれませんね。
会場に来場者が感想を書けるノートを置いておくのもよくある手法です。
展示をして、様々な反応をもらうことで、新しい発見があったり、展示する度胸がつきます。
美術部のアピールにもなります。新しい部員の獲得につながるかもしれません。
また、展示の準備や片付けも部員どうしでワイワイやれば楽しい思い出になるでしょう。

詳しくはこちらの記事を参考に。

壁画を制作しよう

よくあるのが卒業式の壁画を美術部で手掛けるというもの。
部顧問との相談になりますが、実現できれば、学校に美術部の足跡を残せるいい機会になります。
各学校の伝統というのもあるので、難しい面もありますが、卒業式に限らず、校舎の一面に壁画を描かせてもらったり、広場の床に描くということもできるでしょう。
卒業式の壁画は、板にちぎり絵が一般的ですが、これは技術がない生徒も参加しやすいための形式で、人手と時間もかかります。技術のある美術部員ならば、布や板に絵の具やペンキで仕上げる形式がおすすめです。人手も時間も、ちぎり絵よりは少なくてすみます。
個人制作ではなくグループ制作ということになるので、意思統一や画風のすり合わせ、バランス感覚を磨くことができます。
また、大きい作品を作るというのも、なかなかできない経験です。画面の大きさに耐えうる作品を作ることができるか、美術部の腕の見せ所です。得るものはたくさんあるでしょう。

イベントをしよう

作品制作以外にも、部員同士で年賀状を送りあったり、クリスマスパーティーをしたり、送別会をしたり、様々なイベントを企画するのもいいでしょう。
クラスの同級生とはできないような偏ったジャンルの話やミニゲームをすることもできるでしょう。また、イベントを企画をするということ自体も、コミュニケーションが苦手な美術部員にはいい訓練になります。部長を中心に大いに楽しんでみましょう。

部活Tシャツをつくろう

美術部らしい活動として部活Tシャツを作るというのもあります。シャツ作りにおいては、シルクスクリーンという技法が一般的で、簡単なキットもあるので、部顧問に相談してみるとよいでしょう。
インク代とキット代がかかりますが、シャツは色を指定して、各自持参すればその分の費用を抑えることができます。
Tシャツは各イベントや運動会の部対抗リレーなどで着ることで美術部のアピールにもなります。
また、シャツのデザインについて学ぶいい機会にもなります。

結論:できることはたくさんある。美術部を楽しめ。

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