クロッキー会をやってみよう

美術部へ

クロッキー会とはその名の通り、何人かで集まってクロッキーを行うステキな会のこと。

一人で写真などの資料を見ながらクロッキーをすることもできるが、実物のモデルをクロッキーした方が得るものは多いだろうし、複数で行うことでいい緊張感も生まれる。また、描き終えてから講評会を行うことで学び合いもできる。
持ち回りでモデルを担当することで、モデルの視点を持つこともできる。
美術部員が複数名いるのなら、ぜひクロッキー会を開催してみよう。 

今回はクロッキー会の持ち方と注意点を解説していこう。

クロッキー会の持ち方

準備するもの

  1. モデル台 美術室の机などでよい
  2. タイマー
  3. スケッチブックまたは紙を束ねて留めた画版
  4. 鉛筆
  5. 練り消しゴム

ルールを決める

クロッキー時間 何分×何ポーズ

クロッキーはあまり時間をかけないかわりに複数ポーズを描くことが多い

決まりはないが1分×5ポーズとか、5分×3ポーズとか、10分×1ポーズとか、部員の描き上げる目安時間やモデルのガマンできる時間によって色々な形があるだろう
とりあえず最初に決めておいて、やりながら変更していき、部員のレベルに合わせていこう

モデルの決め方

王道はジャンケン。くじ引きでも。
各学年が代表者を出してジャンケンとかやると盛り上がる
できれば全員で持ち回り、一度はモデルの経験をするといいだろう

ポーズの決め方

なかなか「よいポーズ」を考えるというのも難しい。その時はポーズ集などの資料を参考にするのもよい。
描きたい構図や描きたいポーズがあれば積極的に提案しよう
実物のモデルを見ると資料だけではわからない発見もあるだろうし、そもそも資料にないポーズもリクエストできる
そのほうがクロッキー会の意義もあるし、実りも大きくなる

席の決め方

座り方の形としては、モデル台を中心に囲むように座る、または壁際にモデル台を配置し扇状に座る
人数が多ければ、席に番号を振ってくじ引きで決めたりする
モデルから離れると他の部員が間にいて、座ったままでは見えない場合がある。その際はイーゼルを使って立って描いてもいいだろう
ポーズをリクエストした部員は求めるアングルがあるだろうから席を優先的に決めさせてあげよう
画版やスケッチブックを手に持つ以外に机に紙を置いて描く形もあるが、紙とモデルを交互に見る際に、画版を手に持つよりも紙と頭の距離が離れてしまうし、紙を斜めから見ることになるのでお勧めはしない

講評会の持ち方

必ず講評会を行わなければならないわけではないが、意見をもらったり、自分では気がつかなかった発見があったりするので、クロッキー会の実りを大きくするためにも講評会は行うことをお勧めする
全員参加、自由参加、全員発表、代表発表など部員のレベルに合わせて講評会の形は工夫しよう
できれば司会を決めて進行するとスムーズ。部長かモデルを担当した部員が最適
顧問にお願いしてアドバイスをもらうのもいいだろう

注意点

クロッキーは描き切ることを意識する

クロッキーは「早く対象をとらえ、それを描きとめる力」をつけるために行うので、未完成のまま時間が来たら終わるという描き方を繰り返していても意味がない。どんなに拙くてもいいから、描き切る、完成させることを意識すること。

講評会では「できなかったこと」より「できたこと」を発表しよう

クロッキー会に限ったことではないが、講評会において自分の作品について発表する時に「こことここができませんでした」とか言われても、できなかったところはだいたい見たら分かる。「できていないことは分かってる」テイで保険をかけるようなことをいわれるとアドバイスもしづらい。
それよりも「うまく描けたと思うポイント」や作品を見るだけでは伝わらない「意識したポイント」を伝える方が得るものが多い。
できなかったことを指摘しあうより、できたところを認めあうほうが会としては楽しいのではないだろうか。
アドバイスをする際は、できたところを認めた上で、さらに改善するため「うまくいったと思っていても改善の余地はあるかも知れない」という視点で見てみるとか「意識して描いたけど、それが伝わっていないのであれば次はどう描くべきか」という視点で見れば、建設的な話ができるだろう。
受験をするのなら厳しい指摘も大切だが、そうでないのなら、まずは楽しさ重視でいいだろう。

クロッキー会は出来るだけ定期的に行い、継続すること

一度のクロッキーでは力がつかない。やらないよりはいいが、できれば週に一回とか定期的に開催して継続していくことで「描きとめる力」がつくようになる。部活動のルーティーンに組み込んで習慣にしてしまえば継続もしやすいだろう。

結論:得るものは多い。美術部でぜひクロッキー会をやってみよう

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